光のカナダ留学blog

30歳で会社を退職。現在カナダ留学中です。

バンクーバーでアシカが女の子を海へ引きずり込んだ事件の詳細

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日本でも取り上げられましたが、バンクーバーでアシカが女の子を海へ引っ張り込む事件が発生しました。幸い女の子は大きなケガもなく、その場を家族と立ち去ったそうです。

事件の詳細

事件は20日の午後6時半頃、バンクーバー南端のリッチモンド市のスティーブストンで発生しました。フィッシャーマンズ・ワーフという桟橋からアシカに食べ物(パン屑)を与えていたところを、アシカが水面から急に飛び出して女の子を引きずり込みました。

Michael Fujiwara

動画を見る限りかなりショッキングな映像です。この映像を撮影したSFUのMichael Fujiwaraさんによると、これまでに何度もアシカを撮るためにここに足を運んだが、今回のようなケースは初めてだと述べています。

専門家によると、アシカが女の子を食べ物と見間違えたことが原因と考えられるそうですが、野生動物の怖さを垣間見たと同時に、野生動物に餌を与える事の重大さを再度私たちに戒める動画となっています。以下、詳細は下記記事から引用しています。

According to Canada'sMarine Mammal Regulations, "no person shall disturb a marine mammal except when fishing."

引用:Family slammed for 'reckless behaviour' after sea lion drags girl into water in Richmond, B.C.(CBC)

カナダの海洋哺乳動物規則(Marine Mammal Regulations)では、漁時を除き人が海洋哺乳動物の生活を害する(disturb)行為を禁止しています。禁止行為に該当した場合、

The signs at the Steveston docks say the maximum penalty for "disturbing" a marine mammal is $100,000.

最大$100,000の罰金が課せられる可能性があります。

The signs also warn that sea lion bites "can cause very serious infections that may lead to amputation of a limb or even death."

またアシカに噛まれた場合、深刻な感染症により該当部の切除、最悪の場合には死に至ることもあるそうです。その理由についてバンクーバー水族館のトレーナーであるHyson氏によると、

That's because bacteria in sea lions' mouths can cause a specific infection, which Hyson said would need specific treatment. She said the aquarium could provide advice to a doctor about treatment.

アシカの口の中にいるバクテリアがある特定の感染症を引き起こす為で、特別な処置が必要であるそうです。この女の子の家族に対し、もしも事件後、彼女に傷などが見つかれば連絡してほしいと伝えています。

Andrew Trites, director of UBC's Marine Mammal Research Unit, said the animal wasn't to blame for its behaviour in the video.

ブリティッシュコロンビア大学(UBC)海洋生物研究ディレクターのAndrew Trites氏は、この動画のアシカの行動は咎められないと言います。

Trites said the sea lion in the video looked like it's used to having people feed it, and probably mistook the girl's dress for food.

動画のアシカは人間に餌付けされる事に慣れているように様に見え、おそらく女の子の服を食べ物と間違えたのだろうと述べています。

He said he hopes the video of the encounter teaches others to not feed wild animals like sea lions. He said the animals are not inherently dangerous and are not looking to grab people.

Trites氏は、この動画がアシカを始めとした野生動物へ餌を与えてはいけないという事を再度戒めるものであってほしいと望んでいます。野生動物は本質的(inherently)に危険ではなく、人々を襲わないとしています。

事件の起きたスティーブストンについて

最後に事件とは直接関係ありませんが、スティーブストンという場所について少しだけ説明しておきたいと思います。

スティーブストンはバンクーバー南のリッチモンド市にある観光地で、私自身バンクーバー留学中に一度足を運んだことがあります。日系移民が移り住んだ街として有名で、私の好きなOnce upon a timeというドラマの舞台ともなっている等、個人的にとても思い入れの強い街です(詳しく知りたいという方は下記記事を参照して下さい)。

事件が起きたのはスティーブストン南端にある、フィッシャーマンズ・ワーフという場所。ワーフ(wharf)というのは波止場や船着き場という意味です。漁師さんが獲ってきた魚を船上で売ってくれます(写真は上記記事より抜粋)。

フィッシャーマンズワーフ看板

フィッシャーマンズワーフお店2

スティーブストン沖合いはもともと、シャチやアザラシ等の海洋生物の生息地があり、ホエールウォッチング産業が盛んな地域です。今回このような事件が起こってしまいましたが、貴重な海洋生物と触れ合えるスティーブストン、是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか。美味しいフィッシュ&チップスも食べられますよ。

まとめ

今回の事件のように可愛い野生動物を見かけた際はふと餌を上げたくなる気持ちも良く分かりますが、野生動物の生活に人間が干渉すべきではありません。

'Let wildlife be wildlife'

― Andrew Trites氏の言葉より

私も今回の事件を契機に、再度自分を戒めていきたいと思います。