光のカナダ留学blog

30歳で会社を退職。現在カナダ留学中です。

海外からみた日本文化、カナダ留学で再認識したこと

スポンサーリンク

f:id:hikaruryugaku:20160826011512j:plain

先日リオオリンピックが閉幕しました。閉会式ではマリオに扮した安倍首相がサプライズ登場したり、キャプテン翼やドラえもんなど日本のアニメ・ゲームの人気キャラクターが登場するなど日本のみならず全世界で大反響だったようです。これまで何かと問題の多かった東京五輪ですが、今回の閉会式を受け、いやが上にも期待が高まってきました。

海外からみた日本のユニークさとは

さて今回反響の大きかったリオ閉会式ですが、海外でこれほど評判が良かったのは何故でしょう。私自身も映像を見てみましたが、椎名林檎さんや佐々木宏さんらの手掛けたセレモニーは見るものを大きく魅了し、最新の映像技術(Augmented Reality:拡張現実、略してARというらしいです)を利用した近未来的なその美しい映像は、全世界に日本の技術力の高さを再認識させました。2020東京五輪に対する期待を大きく飛躍させる、素晴らしいプレゼンだったと思います。

ただ本当にそれだけが閉会式の成功に繋がったのかと言われると、きっと違うでしょう。日本の高い技術力はもちろん全世界の共通認識で、日本ブランドといえばそれだけで信頼に足るものです。これは間違いありません。最近は日本ブランドのものを持つことがある種のステータスになっている一面もあります。ただ、海外から日本をみた時に、日本のユニークさを表しているものは他にもいくつかあります。その一つが、冒頭にも述べたように日本の持つアニメやゲームの存在です。

日本のアニメやゲームはもはや世界共通

カナダに暮らしてみて、日本のアニメやゲームがどれだけ世界に浸透しているのかを再認識させられました。例えば最近話題となったポケモンGO。最近はだいぶ落ち着いてきましたが、一時期はバスや地下鉄に乗って隣の若者のスマホを見ると皆が皆遊んでいる様な状態でした。私の学校でも話題となり、あれは本当のポケモンじゃないとかクラス内で何かと議論にもなったりしました。他にも、ヨーロッパから来たクラスメートがジブリ映画を全部見たと嬉しそうに語っていました。ホームステイ先の子供がドラゴンボールのかめはめ波を真似して遊んでいます。おもちゃ屋さんに行くと日本製のゲームやキャラクター製品がずらっと並び、子供や学生がそれらの前で目を光らせています。

少し話は逸れますが、残念なことにJ-popや日本映画は一部を除きほとんど海外では認識されていません。日本であれだけ有名なAKBや、解散で話題となっているSMAPでさえも、海外(特に欧米)で知っている人は周りでほぼゼロと考えて間違いないでしょう。実際、私自身クラスで彼らの名前を出した時には誰も知らなかったので説明が必要でした。日本のバンドだとBABYMETALが一時アメリカで話題となりましたが、そのような極一部を除くと、やはり世界からの日本の音楽や映画などの知名度は低いといわざるをえません。

そういった意味でも、ピカチュウといえば誰でも振り向くように、もはや日本のアニメ、ゲームは国境の垣根を超えた世界共通のエンターテインメントとなっているのです。

概念としての「和」

日本を語るうえで欠かせないもう一つ存在が「和」の文化です。和風、和食など、日本を表す「和」の文化は海外でいまや広く認知され、日本のイメージを形成しています。私の居るカナダでも、街を歩けば日本食レストランは星の数ほど存在し、既に彼らの食文化を大きく侵食しています。日本食はもはや当たり前、欧米人は米を食べないというのは昔の話です。着物や折り紙、茶道なども、日本を象徴する代表的なものとして学校の教材などで取り上げられます。柔道や剣道などの日本武術もクローズアップされる事が増え、中には日本の道場で忍術を学ぶためだけに来日している外国人も居るそうです。

「和」の文化は、日本人に対する印象に大きく影響している事も確かでしょう。日本人は責任感があって勤勉で礼儀正しい、女性ならお淑やかといった、海外の人が日本人に対して抱いているある種ステレオタイプにも似た感情は、少なからず「和」の創り出すイメージからくるものだと思われます。日本人には直接会ったことはないけど、日本がどういう国かはよく知っている。ネットやテレビが普及した今の時代、不思議なことではありません。

リオ閉会式の成功の秘訣は、期待とのマッチ

さてリオ閉会式に話を戻します。今回リオ閉会式があれだけ成功したカギは、海外の人が日本に何を期待しているのかという部分が、うまくマッチしたことによる反響の高さだったのではないかと思います。海外の彼らがもつ日本のイメージは、必ずしも私達が考える日本の現状とは同じではありません。例えば、今の日本の若い世代はもっと欧米寄りの考え方が主流で、「和」を意識する機会はひょっとすると外国人よりずっと少ないかもしれません。また先にも述べたように、日本で人気のあるJ-popやJアイドルの海外知名度は残念ながら皆無です。アニメやゲームにしても、彼らに馴染みのあるキャラクターと、日本に住んでいる私達の間では人気のキャラクターに多少隔たりがあるでしょう。

そういった意味で今回の閉会式は、日本が持つ高い技術力、アニメ・ゲーム、そして「和」の文化を、海外の人が好むテイストにマッチさせた上で上手く調和・融合できたことが、成功に繋がるカギであったと考えています。演出家の皆さんがしっかりと海外に目を向け、日本に何が求められているかをよく考えて導き出した結果といえます。

2020東京五輪そしてその先の日本文化発展に向けて

最後に、ここまで書いてきたことはある意味当たり前の事かもしれません。ただ2020東京五輪、さらにはその先を見据えた日本文化の発展を考える上で非常に重要なことだと思います。日本の殻に閉じこもり狭い視野に留まるのではなく、海外からの視点に立って、彼らが日本に何を求めているのか、日本がどんな国であって欲しいのかを知る事が大切です。今後の日本のプレゼンに期待しています。